計量文献学によるアプローチ

計量文献学とは端的に言えば文を統計処理の対象として、そこから特徴量を抽出する学問である。贋作説のある古典作品の作者推定などでたまに登場するが、ニッチな学問であることは間違いなく、研究者の数は世界でも日本でも極めて少ない。何を特徴量とすると…

秋山瑞人文体模倣:序論4

情景描写 秋山文体の情景描写は「情景が目に浮かぶ」「臨場感がある」とよく評される。私もそうした見解に異論はない。ないのだが、しかし秋山文体は本当に情景が目に浮かぶことを意図して書かれたものなのだろうか。E.G.コンバット3rdのあとがきを思い出し…

秋山瑞人文体模倣:序論3

もうすぐUFOの日である。前回の投稿日を見たら2年前で笑ったが、あまり気にせず続きを垂れ流すことにしたい。 秋山文体の心地よさ、あるいはリズム感 早速だが秋山文体は読んでいて独特の心地良さがあり、時にリズミカルな印象を受けることがある。これは何…

秋山瑞人文体模倣:序論2

序論2 時制と時間経過 「感情移入」をさらに効果的なものにする表現法として、秋山文体においては時制、特に時間経過への意識に特徴があると考えている。 さっそくながら典型例を以下に挙げる。 月ではイジメがはやっていた。 「E.G.コンバット」 朧はもちろ…

秋山瑞人文体模倣:序論1

序論1 秋山瑞人とは 秋山瑞人を知らずにこのブログを読む人がいるのかわからないが、おそらく秋山瑞人の文章を知らずにこれを読んでもなにも面白くないと思うので、なにか一冊買って読んでみることをお勧めする。端的に言えば、ここ10年で新作を 3つも 発表…